先生セキララ日記 ~幼稚園の現場から~

幼児教育・子育てについて、幼稚園教諭の視点から綴ったブログです。現役の先生、保護者の方、これから先生になる人達と一緒に考えていくことを目指しています。

時事

プレハブ長女監禁事件…手だてはなかったか背景を考える

自分の娘を監禁し死亡させた事件。

ニュースを見ていたたまれない気持ちになった。

女の子はどんな気持ちだったのだろう・・・。”お腹がへった”という声をあげることもできないくらい衰弱しておられただろう・・・それとも声をあげても届かないことがわかっておられたのだろうか・・・。室内にいるだけでも寒くて暖房をつけずにはいられないのに、この女の子はどんなに寒く冷たかっただろうか・・・。外界から遮断された場所でずっとずっと一人でどうしようもなくて、苦しさ、寂しさ、無力感、あきらめ、恐怖、悲しさ・・・暗くてつらい、とうてい言葉にはできない思いでおられたのではないだろうか・・・少し考えるだけでも胸が痛い。

小学校の同級生という方がインタビューに答え、「3学期から学校に来なくなった」とっしゃっていた。

それから、中学校も行っておられないとのこと。

いうまでもなく、両親に罪があるわけだが、本当にどうにもならなかったのか、この方が救われる道はなかったのかと無念に思われる。

誰かをやり玉にあげるつもりではない。こんな辛いことがどうして起こってしまったのか、なぜこんな思いをもって死ななければならなかったのか、どうすることもできなかったのかということを考えたい。

学校に来られなくなって、担任や主任、校長先生は、どう受け止めておられたのだろうか。

報道でしか知る由がなく、本当に事実かどうかわかないが、あざのようなものがいくつもあったと聞いた。
担任は、子ども一人ひとりについて、日々体調、機嫌、様子を視診しなければならない。おかしいと思うことはなかったのだろうか、また、おかしいと思い、学校側で議論されることはなかったのだろうか。
もしかしてあったのかもしれない。先生方は心配もされていたのかもしれないし、議論したり行政に相談したりされていたかもしれない。
学校現場で声が挙がっていないことはおかしいし、あがっていてそこからどこかに相談をされているかもしれない。相談をされていたとすれば、その後はどうなったのだろう…。

けがが多かったこと、学校を長期欠席している時点、義務教育である中学校に通っておられないこと、少なく限られた情報の中でではあるが、いくつかの時点、周囲がおかしいと思うきっかけ、どかかで家庭や学校だけでなく、行政と連携がとれたかもしれない時期がある。どこかでこの女の子の悲痛な叫びをひろいあげることができたかもしれない。

そこが見過ごされてきたことにも対しても、救う手だてを逃してきたのではないかと無念に思う。

幼稚園現場でも、虐待が疑われる家庭、精神的不安定な保護者にかかわることがある。
おかしいと思うこと、心配なことは担任だけかかえるのではなく、学年や幼稚園全体で話し合い共有すること、そして自分のクラスだけでなく、他クラスの心配事やおかしいと思われることには皆で考える姿勢をもつこと、専門機関と連携をとること、そして、心配をしている子どもに対しては、卒園してからも何らかのかかわりをもてるようにすることの必要性を改めて感じた。

-時事

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