先生セキララ日記 ~幼稚園の現場から~

幼児教育・子育てについて、幼稚園教諭の視点から綴ったブログです。現役の先生、保護者の方、これから先生になる人達と一緒に考えていくことを目指しています。

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ほんとに「モンスターペアレント」!?

2016/07/27

いつからかよく聞かれるようになった「モンスター」

いつからか、「モンスターペアレント」という言葉が聞かれるようになりました。

そして、職業を問われ、幼稚園教諭をしていることを伝えると、いろんな席で、「モンスターペアレントっているんでしょ?大変だね」と言われることが多々あります。

でも、私自身は「モンスターペアレントだっ!!」と思う保護者の方に出逢ったことはまだありません。

インターネットで目にした記事には、確かに驚くような保護者の例もありした。

そういう保護者の方もおられるのだとは思うんだけど、でも、世間話やなんとなく話している中では、「モンスターペアレント」という言葉が先行しているような気もしています。

保護者から唐突に言われる言葉の中には・・・。

先日、「うちの子、よく転んで傷をつけて帰ってくるんです。見てもらえますか?」というお電話がかかってきました。

同僚の先生に、その話をすると、冗談交じりで「でた、“モンスター”笑」と言われました。

けがをして帰っても、まだ子どもの言葉がしっかりしていないぶん、保護者にしっかりと伝えられないため、なるべくけがをした際にはお手紙やお電話で知らせるようにしています。

ただ、”転ばないようにしてほしい”というお母さんの願いが伝わってきました。

確かにその子はまだ体幹がしっかりしていないのか、よく転んでけがをしていることが多いのです。

内心「子どもはしょっちゅうあります。元気に遊んでいる証」と思いましたが、よくよく考えると、その保護者の方からすると、初めての集団生活で心配、そしていいままではおうちで遊ぶことが多かったので、そんなにけがをすることが少なかったようなのです。(体を使って遊ぶ経験が少ないぶん、体の基盤がまだしっかりできていないこともあるのだと思うのですが)

そう思うと、保護者の方の抱いてられるこども像が今少しずれているだけなのかな、とか、子どもも初めての集団生活だけど、保護者の方もはじめて子どもと離れている時間が長くなって、心配が膨らんでいるのかなと思いました。

また、先日は「蚊にかまれないようにしてほしいです」という保護者からのお願い!?があったのですが、その時にはゆっくりお話しができず、「ん~かまれないようにしてって言われてもなぁ・・・蚊取り線香はたいてるけど・・・」と、正直もやもや~っとした思いもあったのですが、その子は“蚊アレルギー”とのことで、かまれると尋常じゃないほど腫れてしまうのだそう。

そう思うと、保護者の方が「かまれないようにしてほしい」という言葉を伝えてくださった思いがわかりました。(その後、保護者の方とご相談をし、朝おうちで蚊よけシートをぬってきていただいて、昼食後にも、園で同じように塗る、また、蚊よけのリングをつけておいてもらうなどの措置をとることにしました。)

 

世間で言われているような特例は除き、私たちからすると一見 「え!?」と思うような保護者の言葉の中にも、“子どものことが大事” “心配” ということがまんなかにあって、一生懸命だからこそのお言葉なのかなと思います。

本当の〝モンスターペアレント”なのか、保護者の方のお言葉の背景にはどのような思いがあるのか、考える幅をもちたいなと思います。

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