先生セキララ日記 ~幼稚園の現場から~

幼児教育・子育てについて、幼稚園教諭の視点から綴ったブログです。現役の先生、保護者の方、これから先生になる人達と一緒に考えていくことを目指しています。

その他いろいろ 幼児教育・子育て全般

幼稚園における2歳児保育の意味と園の思惑

基本的に幼稚園における子どもの受け入れは、3歳の年少からが主流でした(その以前は、4歳からの入園で、2年保育が主流の時もありました)。

しかし現在は、少しずつ2歳児からの受け入れがスタートし、4年保育を実施する幼稚園が増えています。

2歳児には、大人との一対一の関係が大切になるので、2歳からの受け入れには賛否両論ありました。
そこで、2歳児保育の意義について、まとめてみようと思います

幼稚園における2歳児の保育の意味

保護者以外の人と出会う場

昔は、地域で子育てが行われており、色々な、そしてたくさんの人と触れ合うことが出来ました。
しかし、今は核家族化や地域の人々との触れ合いが減少していることで、幼稚園入園までには、色々な人・たくさんの人と触れ合う機会が少なくっています。
そのような中で、幼稚園では、保護者とは異なる価値観をもった保育者、たくさんの子どもと触れ合うことができます。
保護者のもつ価値観と異なる価値観に出会うということは、自立にふみだす一歩となりえる可能性があります。
例えば、生活面…具体的には着替えについて考えていきましょう。
保護者だと、子どもだけにかまっているわけにはいかず、ついついこちらが着せたり脱がしたりしてしまいがちです。園では、子どもが自分で行おうとする気持ちを育てていくように援助してきます。
今までに経験したことのないことに出合う中で、戸惑いを感じながらも、子どもはそれに向き合っていくことができいるようになるのです。

そして、保護者とは異なる大人から大切にされる経験をするということが幼稚園での2歳児保育の大きな役割です。
2歳の子どもにとって、母親はこれまで一心同体的な人であったわけですが、そういった対象の人以外から向けられる愛情を受けることによって、自分は大切にされるべき存在なのだということを感じるのです。

大人の存在だけでなく、他の子どもたちも大きな存在となります。

子育て支援

保育は、子どもだけのものではありません。
子育てをする上で、保護者は悩んだり、不安になったり、イライラしたりすることがたくさん出てくると思います。

そういったときに、日常的に専門家に相談できるというのは大きな支えになることでしょう。
子どもを介して保護者のサポートをすることも、保育所・幼稚園の大きな役割です。

しかし、「だから2歳から幼稚園に入れたほうがいい!」ということではありません。
2歳は成長が目に見えて大きい時期です。
その成長の瞬間瞬間を、保護者がそばで見守り、一つ一つを支えていくことには大きな意味があります。

また、2歳児保育(だけに限りませんが)は、残念ながら園によってはずさんなところもあります。

園の思惑

園側としては、2歳児保育には、園児獲得、囲い込みの思惑もあります。すべての園がそうだというわけではありませんが、早くから子どもを受け入れることで、園児を獲得し、財政面の確保をしているという現実があるのです。

そうなると、2歳児保育について大切なことが園で共有されず、”とりあえずはじめる”というところが多くあります。

2歳児は、保育者や友達とのかかわりの中で、人との信頼感を育む大切な時期です。
その信頼感は、自己肯定感や、安心感、安定感、意欲、社会性など非認知能力につながっていきます。

そういった大きな責任があることを、保育者や園側がしっかりと意識することが求められます。

以上、2歳児保育についての意義と園の思惑についてみていきました。
2歳児保育と共に幼稚園全体の質についても考えていくことが求められています。

一つ一つと向き合い自分にできることを考えていこうと思っています。

-その他いろいろ, 幼児教育・子育て全般

情報交換・共有できるサイトを目指しています。

シェアしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。