「年中さんだから!」「年長さんなのに!」という言葉の裏にあるもの
子どもたちが入園・進級して2か月が経ちました。
毎年この時期に職員から「もう年中さんだから」「年長さんになったのに」という言葉を耳にすることがあります。
「年中になったのに〇〇ができない」「年長になったのだから〇〇しなさい」
私はこの言葉に違和感を感じて仕方ありません。
不安や緊張感をもつ年度はじめ
年中・年長児は、年少児よりも年が上ですが、その子たちだって、進級して新しい環境での戸惑い・不安でいっぱいなのです。
旧クラスの友達と離れたり担任が変わったり、保育室が違ったり、担任や学年によっても一日の過ごし方が違ったりクラスの雰囲気が異なったりすることもあります。
そのような中で「もう年中さんだから〇〇しようね」「年長さんになったのに」といわれることは、子どもの負担やプレッシャーになりかねません。
環境の変化が強いこの時期に、元気に登園し過ごしているだけで私はハナマルだと思います。
産まれて4,5年しか経っていないのにもかかわらず、そして、進級してまもないのに、「年中・年長さんになったのだから」とぃう目で見られるのは酷というものです!
「年中・年長さんになったのだから」という言葉は、先生が子どもの内面や一人ひとりの発達に目を向けずに学年の枠だけで捉えている証。
そして、子どものことを「できる・できない」という視点で捉えているからこそ出る言葉のように思います。
「年中・年長になったのだから〇〇しなければならない・〇〇できていないのはおかしい」という視点で子どもを見ていると、子どもの心は豊かに育ちません。
まずは、学年にかかわらず、一人ひとりの子どもの内面に目を向けるべきです。
一人ひとりがどういう心もちで過ごしているのかを読み取り、まずは安心して過ごせるように、また、幼稚園生活を楽しめるようにということに重きをおいて過ごすことが大切です。
そして、どのような子どもの姿も受け止め、一人ひとりが自己発揮できるように配慮し、すべてはそこからはじまっていくのだと思っています。
先生の思うように子どもを育てようとするのではなく、一人ひとりが個性豊かに育つことができるように、また、一人ひとりの良さを引き出していけるよう援助していきたいと思っています。
おうちでも
この時期、ご家庭では、これまでよりもだだをこねたり、できていたことができなくなったりしていることもあるのではないでしょうか。
幼稚園で頑張って過ごしている分、家に帰るとほっとして疲れがでたり甘えたりしているからこその姿だと思われます。
”以前はできていたのに” ”進級したのだからもう少ししっかりしてほしい”という思いもわかりますが、ほっとする場・甘えられる場があることも大切です。
どこかで緊張を和らげる場・時間がないと、子どもがしんどくなってしまいます。
おうちでも大きく見守っていただき、「年中さんだから・年長さんだから」という言葉をいい意味で使えるといいですね。
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