生活発表会は誰のもの?見せるために取り組むのではない!
見てもらうための劇と子どものための劇
先日、生活発表会で劇をすることを書きました。
年長になると、経験してきた分、「見てもらう」ということを視野に入れて取り組むことができるようになります。
そのため、お客さんに聞こえるように「大きな声で」とか「前を向いてせりふを言う」とかいうことも、意識をもつことができるようになりますが、年齢が低ければ低いほど、劇はごっこ遊びの延長線上にあることが理想だと思います。
そもそも、生活発表会はじめ園の行事は、誰のものなのでしょうか。
生活発表会といえば、一般的には見てもらうもの、見せるものというイメージがありますが、決して見てもらうために取り組むのではありません。
子どもがしたい・楽しい!と思う取り組みの延長に見てもらうということがあるのです。
遊びを深め子どもがつくりあげていく過程の延長として見てもらうという取り組みと、見せるために取り組むのでは、取り組み方や大切にしていくものが変わってきます。
後者は、見せるため・・・つまり保護者にむけての対外的なものになるため、見せるために取り組むので見栄えに重点がおかれます。そうなると、「させる」という一方的な保育になりがちで、子どもの”したい” ”楽しい”という気持ちが置き去りになってしまう場合があります。
前者は、子どものために取り組むので、遊び込むということや、子ども主体でつくりあげていく過程が大切になり、子どもの心の育ちを大事にした取り組みになるはずです。
では、子どもの心の育ちを大事にして取り組み方にしていくためには、どうしていけばよいのでしょう。
子ども主体の劇遊び
- 題材選びについて
題材は、子どもたちの興味のあるものから、また子どもたちの普段の生活や遊び、発達年齢、子どもたちの様子を踏まえて考える必要があります。
保育者がさせたい題材ではなく、子どもたちに主眼をおいて決めていくのです。
- 役選び・役決め
役は、保育者が決めて与えられた役で取り組んでいくのと、子ども自身が決めて取り組んでいくのとでは、子どもたちの気持ちがずいぶん変わってきます。
そして、いきなり役を決めたり選んだりするのではなく、まずは色々な役になって遊びそれぞれの役について理解したり面白さを感じたりした上で選べるように配慮しています。
役の人数が偏ったり人気のない役もあったりしますが、色々な役になって遊ぶ中で、それぞれの役の魅力を感じられるように取り組んでいくことも一つの援助です。
また、役の希望者がなければどうしていけばいいか、子どもたちと相談したりします。
その役はなしにした話の展開を考えたり、その役をしたいけれど、他の役をよりしたい場合は、その子に2役を担ってもらったり、また、その役は劇に登場させずナレーションでつなぐなど、色々な方法が考えられます。
- 場面やせりふについて
場面やせりふについては、絵本がベースになるかと思いますが、劇遊びをするなかで、子どもが言ったことばを拾って台本を書いたり書き足したり、また、子どもたちと一緒に話し合ったりしながら決めていきます。
子どもの発想や思いを拾い上げながら取り組んでいると、絵本にはない場面やせりふが膨らんでいくことがあり面白いです。
見栄えをよくしようとして覚えさすほうが保育的には簡単ですし、子ども主体ですすめていこうとすると子どもの思いや発想、それぞれの良さをどうひきだしていくか難しさもあります。
けれども子どもの思いを大切にしながら取り組んでいくと、子どもの表情が生き生きとしています。
日々の活動や取り組み・行事などそれぞれについてどういう意義があるのか、取り組みに無理がないか、子どもの生活や遊びと繋がっているかということを確認し、子どもの心の育ちをサポートしていきたいと思っています。
情報交換・共有できるサイトを目指しています。
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