先生セキララ日記 ~幼稚園の現場から~

幼児教育・子育てについて、幼稚園教諭の視点から綴ったブログです。現役の先生、保護者の方、これから先生になる人達と一緒に考えていくことを目指しています。

幼児教育・子育て全般

生活発表会での劇遊びの在り方を考える~子ども主体の取り組みにするために~

幼稚園や保育園では、2月、3月は生活発表会があり、ダンスや劇、歌、楽器などをするところが多いと思います。

今回私は劇をします。
決められた役で決められた言葉を覚えさせたり子どもの思いを置き去りにしたりした取り組みにならないように・・・という思いを根底にもちながら、子どもの思いや発想、表現を生かしながらつくりあげていくためにはどうしたらいいかということを日々悩みます。

まずは絵本を読み、それぞれが自由に自分の好きな役になって、絵本の世界を表現することを楽しめるようにしました。
(劇遊びに入る前に、それにつながる色々な遊びをしていますが、ここでは長くなるので省略します。)
初めてのときには表現方法や思いがばらばらですが、子どもたちはまずは自分で感じたように表現しています。
たとえばお風呂の場面では、タオルを頭の上にのせてお湯につかる子や、自分の肩にお湯をゆっくりかける子、顔を洗う子など、それぞれの表現をする子どもがいます。
そこには、子どもたちが経験したことがあらわれているだから、何が正しいとか間違いとかはないと思っています。

そして色々な役になって遊んだ上で、自分のしたい役を自分自身で決定します。
せりふは、保育者とやりとりをしながら劇遊びをしたり、子どもから出た言葉を拾い上げたり、自分たちで考える場を設けるなどしてつなげていきます。役になりきって遊ぶ中で、こどもたちは自分で場面にあった表現やその役にあうような動きをするようになります。
子ども自身が楽しいと思う取り組みをしたり遊び込んだりすると、こちらが考えた振り付けや言葉を言わせるよりも、もっともっと面白い言葉や素敵な動きをしてくれます。
一方恥ずかしがったり表現したくてもできない子もいるので、そういった子には周りの子の動きや言葉にも目を向けられるようにしたり、イメージが膨らむような言葉がけをしたりして、自分なりに表現するということが楽しめるようになれたらいいなと思います。

劇中で使う曲(BGMなど)や効果音も、これはどうかな?こっちのほうがいいかな?と色々考えますが、劇遊びに取り組んでいる中で表現が広がり、考えていた曲があわなくなったり子どもの表現がいかせなくなったりすることがあるので、子どもたちの動きに合うようなものをそのつど選びなおしています。
また、せりふも昨日とは違うことを言い、それがまた素敵な言葉やユーモラスなことを言ったりするので、どんどん表現が膨らんでいく様子が見られます。

させるのではなく、子どもが考えたり工夫したりしながら主体的につくりあげていけるように、私自身も学びを深めながら日々考えたり試行錯誤したりしていきたいと思います。

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