幼児期に育みたい力(2)
2017/12/31
前回のブログ「幼児期に育みたい力(2)」では、主体的に生活を進めることに重点をおいて、幼児期に大切にしたいことを書きました。
今日は、幼児期に育みたい力、第2弾を書いていこうと思います。
~知的好奇心を育む~
先日、幼稚園教育の中で論語を覚えさせ、皆で「すご~い」と持ち上げている番組をみました。
子どもにどんな力をつけさせたいと思っているのか、イマイチわからず疑問に感じていました。
幼児期には、遊びを通して学んでいます。
日常生活とかけ離れたことへの記憶に関しては、今覚えていても、7、8歳で記憶の剪定が行われてしまいます。
逆に、経験・体験の中で育ってきたことは、これからを生きていく上での大切な力となります。
学習内容を先取りするようりも、これから先の学びの基礎を作ることが大切なのです。
遊びの中で、「試す」「考える」「探求する」を大切にする
子どもは、遊びながら色々なものに興味をもちます。
そして、「これは何?」という、名前といった表面的なことから、「どうして?」「どうなっているの?」という仕組みや理論的なことに思考が移行し、「知りたい」「やってみたい」というふうに思いが膨らんでいくのです。
「遊びながら興味をもつ」と書きましたが、たとえば砂遊びについて考えてみると、子どもは、砂場で遊ぶ際「今日は砂の性質を知るゾ!」といった目標をもって遊んでいるわけではありません。
砂遊びをする中で、砂の感触を楽しみ、さらさらの砂を固めて山をつくるには、砂に水を含ませると固まるということを、遊ぶ過程で気づき、取り入れていきます。
そして、「砂」の性質について知るのです。
遊びの中でこどもが試したり考えたりできるようにすることが、知的好奇心を育むことにつながるのです。
子どもが興味・関心をもち、学べる環境を整える
子どもは遊ぶ中で育つからといって、ただ単に遊ばせておけば、勝手に知的好奇心が育つというわけではありません。
子どもが“どうすればうまくいくか”ということや、気づきがあるような環境をつくることが保育者、保育者の大切な役割です。
教えることは簡単です。
でも一方的に教えるだけでは、子どもに試行錯誤して考える力を奪ってしまいます。
”見つける”、”考える”、”気づく” という環境を整える力が保育者には求められているのです。
たとえば、以前のブログ「ジュースやさん」で考えてみます!
この実践例では、絵の具は、はじめから、いろんな色を準備しておくと、たくさんの種類のジュースができますが、赤・黄・青・白のみにし、色を限定してだしています。
また、「赤と青を混ぜると紫になるよ」など、混色については敢えてこどもに伝えていません。
遊びの中で、色を混ぜていくと、変化するということに面白さを感じ、何色と何色を混ぜると、どんな色になるかということを試したり気づいたりすることができるようにするためです。
また、個々の遊びから皆で楽しめるよう「ジュースやさん」に展開することを視野に入れていましたが、子どもには、「ジュースやさんにしたら?」という提案や指示はせず、子ども自身が展開できるように、椅子を並べておきました。
もちろん、ジュースやさんに展開しなくてはならないということではなく、子どもが違う発想をすれば、そちらにシフトしていく必要があります。
このように、遊びの中では、子どもが興味・関心をもち、知りたい、やってみたいという気持ちの中で、気づいたり試したり考えたりすることができるような環境をつくることが、保育者(=幼稚園教諭)の大切な役割なのです。
そして、子どもの気づきに共感することが必要です。
十分すぎる準備に要注意
このことをもとに考えると、子どもがうまくいくように十分すぎる準備をしてしまうと、子どもの気づきや試行錯誤する機会がなくなってしまいます。
考えるきっかけを与えられるように準備することがポイントです。
また、集団生活の中では、自分だけの気づきにとどまるのではなく、友達の発見を共有することで、刺激しあったり学びあったりすることができるようにしたいなと思っています。
情報交換・共有できるサイトを目指しています。
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