先生セキララ日記 ~幼稚園の現場から~

幼児教育・子育てについて、幼稚園教諭の視点から綴ったブログです。現役の先生、保護者の方、これから先生になる人達と一緒に考えていくことを目指しています。

幼児教育・子育て全般

”気になる”姿へのかかわりかた

2018/01/07

“気になる”についての考え方

クラス運営をしている中で、個々の姿で、「気になる」ことがあります。
子育ての中でも、子どもの姿で気になることがお悩みにつながっていることもあるのではないでしょうか。

たとえば・・・
・入園時や長期休み明け、転園時、日常の中で、泣いて幼稚園にいくことができない、母親と離れられない。
・友達とうまくいかず、いらいらしたり、帰宅すると荒れて母親のいうことを聞かない。
・友達にすぐに手が出てしまう。 などなど

「気になる」は、大きく三つに分けて考える必要があると思います。

一つは、ステップアップをするために、新しい壁を越えようとがんばっている姿。
もう一つは、獲得すべき時期に獲得できていなかったことの表れ。
三つめは、その子の抱えている困り、しんどさ。

①新しい壁を乗り越えようとがんばっていることの表れ

この場合は、マイナスなことではなく、発達段階の中で、ステップアップするために、新しい壁を越えようと挑戦している姿です。

本人が一生懸命にむきあっていることを理解してあげるのが大切です。

たとえば

 ・入園時や長期休み明け、転園時、日常の中で、泣いて幼稚園にいくことができない、母親と離れられない。

・友達とうまくいかず、いらいらしたり、帰宅すると荒れて母親のいうことを聞かない。

という姿も、この場合のことが多いです。

新しい環境、母親と離れて過ごすことの寂しさなどの中で、こどもが踏ん張っている証。

もしくは、園で嫌な事があり、そこへ自分の力ではまだ対処できずにいることで、戸惑いながらも、学ぶべき時期にきていること。

一見、発達が後戻りした姿にもみえますが、発達が下がったのではなく、少し下がって助走をつけているのです。

親も子も苦しい時期ではありますが、乗り越えることで、一歩新しく踏み出せると思います。

②獲得すべき時期に獲得できていなかったことの表れ

この場合は、獲得しそびれた姿の表れなので、そこに戻ってやりなおしたり取り戻したりしたうえで、また新たに進んでいくことが大切です。

例えば

・友達にすぐに手が出てしまう

3、4歳にはよく見られる姿です。

けれど、もう少し大きくなっても頻繁に手が出ることが気になられるのであれば、かかわり方を少し戻って考えてもいいと思います。

まずは、なぜ手が出てしまうのか考える。

言葉で伝えることば難しいのであれば、思いを聞き、仲介に入りながら伝え方がわかるようにする。

自分で感情が抑えられずにいることが多い場合は、普段からその子の思いを聞き、落ち着けるようにしたりスキンシップをはかり安定をはかる。

など。

③その子の抱えている困り、しんどさ

環境に適応するのが難しかったり、衝動的であったり、心のバランスが不安定であったりする場合など。

この場合は、保育者が困っていることに焦点をあてるのではなく、本人の困りに重点をおいて考えることが大切だと思います。

その子の困りが少しでも改善し、心地よく過ごせるようにするにはどうしたらいいか、という視点で考えるように配慮しています。

①~③、どの「気になる」姿も、大切にしたい子どもの姿です。

その子の今「気になる」姿を見逃さず、丁寧に積み重ねていきたいと考えていきたいと思います。

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