”共感=寄り添う、受け止める” だけではない
2016/07/27
“共感する”という大人の役割
保育者の役割は様々ですが、子どもとのかかわりの中で、共感するということが大人の一つの大切な役割になります。
子どもも大人も、”自分の気持ちをわかってもらえた” と感じる経験を重ねることで、相手への安心感を持ち、信頼を高めます。そして、その中で安心して自分を出すことができるようになっていきます。
また、子どもは、共感してもらうことで、受け止めてもらう喜びを感じ、自分も他者にその思いを返していくことができるのです。
“共感する=受け止める+α”
子どもは、ぐずったり、わがままをいったりすることがあります。
そんなときも、まずは頭ごなしに叱るのではなく、気持ちに寄り添うことが大切だと思っています。
けれど、「寂しい」「悲しい」「いやだ」など、いろいろな思いを受け止め寄り添うだけでは、子どもがとどまったままの状態になってしまいます。
その関係にとじこめてしまうことが共感ではなく、その先に何を見ているのか、その状態からどういう状態へむかわせるのか、今向かうべきところ(挑戦する課題、友達関係などなど)を見据えてかかわることが大切です。
「共感する」ということは、言葉のままだけでなく、求めていることを受け止め、もう一度前に向きあるいていくことができるように、かかわることが大切なのです。
前にむける時期やタイミングは、個々によって違います。
すぐに切り替えられることが難しいことも多いです。
受け止める日々が続き、折をみて、この時だ!というときに前へむけるようにかかわることが必要な場合もあります。
“前にむかそう”と大人の焦りが伝わったり、まだ子どもの気持ちが落ち着いていないときに強引に切り替えさせようとすることで、うまくいかないこともあります。
また、反対に、ずるずる寄り添うことで、なかなか気持ちが切り替えにくい場合もあり、強引に気持ちに区切りをつけてあげたほうが良い場合もあります。
同じ共感するのでも、前にむけるよう移行するタイミングは一人ひとりによって違います。
そして、受け止めるときには、その言葉のなかにある思いを汲み取れるようにすることが大切だと思っています。
「やりたくない・・・。」
この「・・・」の中には、どういう思いが含まれているのか。
本当はやりたいけれど、失敗が怖い。
やり方がわからない。
などその言葉のおくにある思いを考えます。
その子の思っていることは、100%はわかりません。
でも、行動、言葉の内側にどんな思いがあるのか探そうと、わかろう
とすることで、一歩踏み出して進めるようにしたいと思っています。
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