これから先生になる人にむけて その他いろいろ 幼児教育・子育て全般
「困った保護者」は「困っている保護者」
2018/01/09
以前、ほんとに「モンスターペアレント」!? の記事で、幼稚園の先生をしていると、「モンスターペアレントっている?」と聞かれると書きました。
そこでも書いたように、私はまだ「モンスターペアレント」という方にお会いした事がありません。
「困った親」は、「困っている保護者」だと捉えると、解決の糸口が見えてくるかもしれません。
たとえば、こんな保護者の方がいました。
友達に「たたかれた」とクレーム!?
『子どもが、「○○くんにたたかれた」と言っている』とのお電話がありました。
確かに○○くんはたたいていたけれど、その前に、いろんなもめごとがありました。
そのときの状況を伝えると、納得・ご理解をしてくださいましたが、状況がわからないから、保護者自身がどうしていいかわからなかったようでした。
神経質でどんなことでも心配!
「こんなことで?」と思うことにもすごく真剣に悩まれる保護者。
たとえば、「うちの子は踊らない」「男の子なのに赤がすき」などなど顔を合わせるたびに、他の人から見たら「別にいいじゃない」と思うことにも、心底悩んだり涙したりされていて、一つ一つ先生に確認をしないと安心できない方がおられました。
きっとその保護者の方の中での「子ども像」があったり「正解」があったり、「何がよくて何がいけないのかがわからない」ということがあったりするんだと思います。
先生を見つけると離さない!
先生をみつけると必ず捕まえては、延々と話したり聞いたりする保護者。
ほかの保護者と話している最中も待っておられます。
先生に会えなかった時には電話がかかってくるので、毎日園での様子を伝えたり、お母さんのお話を聞いたりしていました。
個人面談では、次の方が来られたことをお伝えしても、「もうひとつだけ・・・」となかなか話が切れません。
結局途中でいったん次の方と交代していただき、最後の方が終わられてから続きを再開することになしました。
「困った保護者」は「困っている」!!
保護者の方は、先生がほかにどんな仕事があるかということは視野にはありません。
なぜなら子どものことで精一杯!一生懸命だから!
子どものことが気になるし、どうしていいかわからないし、その保護者の方にとって、今その問題を共有したり解決したりするのが、「先生」しかいないのです。
神経質でどんなことも心配に思えてしまう保護者の方には、今はその子のありのままを認めてあげたらどうかというお話をすると、「私が心配」とおっしゃっていていました。
そうなんです!お母さん自身が心配で、どんなことにも不安になってしまわれるから、一つ一つ先生に確認をして解決をしないと気がすまないのです。
細かいこともスルーできなくて、一つ一つを丁寧に考えておられること、お母さん自身の一生懸命さとそのしんどさを感じました。
子どもは、お父さんお母さんにとってかけがえのないもの。だからこそ、子どものことでは、「まぁいいか」では済まされない。
保育者にとって、当たり前のことや、ささいなことに思えることでも、保護者の方たちにとっては、真剣で、不安で、わからないことだったりするのです。
保護者の方の不安、心配、期待、しんどさを受け止めて、まずは保護者の方が伸び伸びとすごす中で子育てができるよう、サポートできたらいいなと思います。
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