先生セキララ日記 ~幼稚園の現場から~

幼児教育・子育てについて、幼稚園教諭の視点から綴ったブログです。現役の先生、保護者の方、これから先生になる人達と一緒に考えていくことを目指しています。

幼児教育・子育て全般

幼児期におけるメディアとの付き合い方~メディアをうまく活用する~

2018/01/20

全学年に向けての保護者会などで、お子さんを連れてこられるときや病院での待ち時間など長い時間子どもを待たせるときに、ケータイで動画を見せておられる方の姿を目にすることがあります。

保護者面談などでも、「だめだと思いながらも、ケータイを見せると子どもが静かになるので使ってしまう」というお話や「テレビばかり見ていて大丈夫かなぁ」とをいうお声を聞くことがあります。

保護者が疑問をもつ一方で、子どもから、以下のよう声も聞かれました。
保育中、「今日、お昼から雨が降るよ」という声が聞かれたので、なぜそのようなことを知っているのか尋ねると「天気予報で見た」と答えたり、大根堀りをしていたときに「大根は風邪にいい」ということをみんなに伝える子の姿が見られたので、誰に教えてもらったのかを尋ねると、「テレビで見た」という返事が返ってきました。

メディアに危機感を抱いている保護者の方もいる中で、子どもがメディアから知識を獲得していることも確かなことです。

メディアが身近な存在になっている現代で、どのように付き合っていけばよいのかを考えたいと思います。

生活の中でバランスよく利用する

保護者の方も、ゲームやテレビばかりだといけないという意識がおありのようで、時間を決めて使用されている方も多いと思います。
画面一つで得られる情報は多様で、色・音・動きに魅力を感じ子どもが興味をもつのも自然なことです。
興味をもってみている中で、またなんとなく見ている中で、興味を深めたり知識を広げたりすることが可能です。
一日の中でどのようにメディアを取り入れたらよいか、過度な使用になっていないか、どのような内容を楽しんでいるのかを子どもと一緒に考えながら、一日の生活の中でバランスよく活用することが望まれます。

メディアで得た情報と実体験をむすびつける

メディアにはマイナス面だけでなくプラス面もあり、私たちにたくさんの情報をもたらします。
しかし、知識として知っているだけでは、真に理解に繋げたり知識を活用したりすることができません。
幼児期には、実体験の中で学ぶという特性があるので、メディアで情報を得たものを具体的に体験・経験する中で、知識が理解としてむすびついていくのです。

たとえば、お料理の番組を見ていて、調理方法について興味を持ったならば、知識として得たことを実際に体験してみることが大切です。
情報を実体験につなげる過程のなかで、べちゃべちゃ・ぺたぺた・とろ~りなど素材の触覚、調理過程での匂い(嗅覚)、鍋がぐつぐつしているときやまな板で素材を切るときなど、調理をしているときの音(聴覚)、おいしい・すっぱい・苦いなど食べたときの味(味覚)、出来上がりのおいしそうな様子(視覚)などの五感を働かせていきます。
さらに、五感を通した実体験の中で豊かな感情が生まれ、また知識が理解に繋がっていくのです。

ツールとしてメディアを使用する

もう一つ、メディアを使用する中で幼児期に大切にしたいのは、コミュニケーションのツールとして活用することです。
メディアからの情報は、一方的で双方向性・応答性はありません。
子守代わりに使用するのではなく、思いや時間を共有するなかで、コミュニケーションをとったりメディアで得た情報を実体験に結びつけたりしていくことができればいいですね。

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