幼児期に大切にしたい遊び(1)
2016/08/06
幼児期に大切にしたい遊びの一つに、ごっこ遊びがあります。
ごっこ遊び
具体的には、ままごと、お医者さんごっこ、お店やさんごっこなど、いろいろな役がある遊びです。
ごっこ遊びとは
ごっこあそびとは、役柄はありますが、対立のない遊びです。
そして、相手がいないとできません。
相互に補い合って、なりきって遊びを進めるというより、なりきった先に、他者とのやりとりがあるのが面白さの本質です。
この遊びは一緒に遊びを作っていくので、やりとりの楽しさを感じて、友達関係も豊かになっていくのです。
ごっこ遊びがはじまるきっかけ
子どもは、自分たちの生活や体験から、ごっこあそびのテーマを見つけます。
興味、関心を持つ中で、〝自分たちもやってみたい”という思いから出発します。
代表的な、ままごとでは、「お母さん」「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」 になりきる姿が見られますが、子どもの憧れが伺えます。
「ねこちゃん」になって「お母さん」に甘えている子もいましたが、その子は動物が大好きで、ねこへの関心をもっている姿が見られていました。
また、よく見る戦隊もののごっこ遊びにも、子どもたちが、自分もそのようになってみたいという思いを感じることができます。
それでは、ごっこ遊びを展開するためには、どのような環境が大切なのでしょうか。
この遊びも、子どもが自分で勝手に進めるのではなく、保育者の援助により、遊びが大きく変わります。
〝見立てる”ことができる環境の工夫が大切
保育者には、子どもたちが遊んでいる様子を読み取りながら、必要なものを考え、遊びが展開していくように援助していくことが求められます。
たとえば、戦隊ものになりきって遊んでいる場合、広告誌を筒状に丸めたものがあるだけで、子どもたちは〝剣”に見立てて遊びを盛り上げていきます。
ただし、年少では広告誌を丸めて筒状にしたものをおいておきますが、年長では、広告誌とセロハンテープなどを準備し、自分で作ることができるようにしておきます。
発達年齢によってもかわってくるのです。
また、ままごとでは、おうちの環境に近い状況を作り出すことで、子どもたちがその遊びを見立てやすいように工夫しています。
仕切りにカーテンをつけたり、「食器棚」をイメージして、器類を並べたり、冷蔵庫に見立てて食材をいれておくようにしたり・・・。
子どもたちが、その場の中で、〝その気になれる”環境づくりを工夫しています。
子どもの発想をいかす
年長にもなれば、遊んでいる中で必要なものがどんどんでてきて、したいことが膨らんでいくようになります。
そのような場合は、ごっこ遊びをする前に、何がいるかかを考えさせるのではなく、遊んでいる中で、子どもの気づきや発想を生かすことができるように、素材を用意しておくことが大切です。
例えば、先日、年長児が病院ごっこがをしている様子が見られました。
「お医者さん」のもとに、たくさんの「患者さん」がきました。
お医者さんは、患者さんの様子に応じて処置しています。
「お腹が痛い」という子には、さすってあげたり、「頭が痛い」という子には、葉っぱのお薬をだしたり・・・。
その中で、患者さんがたくさんになってきたので、お医者さんの子が、「私受付する!」と言い出しました。
そこで、受付のスペースができるわけですが、その時に、机を用意し、こどものイメージが遊びのなかで表現できるようにしました。
受付ができると、「診察券がない」と気づく子の姿が見られたので、画用紙を用意し、自分たちで切ったり書いたりして、「診察券」を作ることができるように準備しました。
子どもから出てきた発想を取り入れながら、一緒に遊びを作ってくことが、なにより大切なのです。
そのためには、子どもが遊んでいる様子から、何に面白さを感じているのか、どういうものがあれば遊びが膨らむのか、などを読み取ることが必要です。
子どもの様子、遊びを専門的に読み取ることで、質のよい遊びを展開できるようにしていきたいと思います。
次回へ続きます→幼児期に大切にしたい遊び(2)
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